研究課題/領域番号 |
16K05406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
東 純平 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 准教授 (40372768)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光電子分光 / 放射光 / レーザー / 光触媒 / 二酸化チタン / 電子状態 / 光物性 |
研究成果の概要 |
光触媒として知られるアナターゼ型二酸化チタンTiO2天然単結晶の(100)面、(110)面、(001)面の清浄表面を作製し、放射光を用いた三次元角度分解光電子分光測定を行った。これにより、詳細な三次元バンド構造が明らかになった。これまで理論計算では価電子帯上端がΓ-MラインのM点寄りに存在することが予想されていたが、実際はM点直上であることが分かった。酸素欠損による電子ドープされた伝導帯下端がΓ点であり、間接バンドギャップが3.2eVであることが直接観測できた。レーザーを用いた二光子光電子分光測定では、ギャップ中に酸素欠損によって作られたTiの3d軌道由来の表面電子状態が調べられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アナターゼ型二酸化チタンTiO2は光触媒として既に実用化されているが、バンド構造について実験的にほとんど確かめられていなかった。これは二酸化チタン結晶が劈開性を持たないので、角度分解光電子分光測定が可能な清浄表面を得ることが困難であることに由来する。本研究では、二酸化チタン結晶の清浄表面を複数の面方位で作製する事に成功した。また得られた清浄表面について、複数の面方位で三次元角度分解光電子分光測定を行う事で、アナターゼTiO2の三次元バンド構造に関する詳細な知見が得られた。この成果は光触媒の詳細なメカニズムを明らかにし、光による水素発生などのクリーンエネルギー技術の発展に寄与すると考えられる。
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