研究課題/領域番号 |
16K05407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
魚住 孝幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80295724)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 内殻X線分光 / 動的平均場 / 強相関電子系 / 非局所応答 / X線光電子分光 / 共鳴X線発光分光 / X線分光理論 / 偏光依存性 / ベイズ推定 / X線光電子分光 / 非局所遮蔽 / 共鳴X線発光分光 / 高分解能X線吸収 / X線分光 / 物性理論 / 磁性 / 光物性 |
研究成果の概要 |
本研究計画は,強相関系と呼ばれる物質群の電子状態を調べることを目的に,有力な研究手法のひとつであるX線分光法の微細構造解析を可能にする理論的枠組みを構築し,具体系への応用を通じて実証と拡張を行うものである.従来の解析枠組みを基本に,電子間の相互作用を効果的に記述する動的平均場を考慮することで,特に3d遷移金属酸化物を対象として2p内殻光電子分光における非局所遮蔽機構に起因するスペクトル微細構造を系統的に明らかにした.また,特に共鳴X線発光分光の偏光依存性に注目しつつ,希土類系に対する第一原理的取り扱いや,X線分光解析におけるベイズ推定の導入などを行い,いくつかの新しい方向性も見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,新規に構築した動的平均場を考慮したスペクトル解析枠組みを用いることで,3d遷移金属化合物の2p内殻光電子分光に見られる微細構造が,軌道・磁気・電荷状態を反映した非局所電荷応答により説明できることを示した.これは,内殻光電子分光が,従来持たれている共通認識よりもさらに深い物理的内容を含むことを示した点で学術的意義があり,その視点でX線分光を見直すことで,今後の機能性材料開発につながるものと考えられ,その点において社会的意義がある.また,初めての試みである,X線分光解析へのベイズ推定の導入は,スペクトル微細構造解析による電子状態研究の枠組みをさらに強固なものにすると考える.
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