研究課題/領域番号 |
16K05414
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
栗田 伸之 東京工業大学, 理学院, 助教 (80566737)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 基底一重項量子磁性体 / 圧力誘起量子相転移 / 磁気構造 / 臨界現象 / 磁気励起 / 基底一重項磁性体 / 高圧力 / 圧力誘起量相転移 / 磁性 / 低温物性 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、基底一重項量子磁性体における圧力誘起秩序相の磁気構造及び相転移点近傍における臨界現象を実験的に明らかにすることである。我々はCsFeCl3の圧力下中性子回折測定を行い、励起ギャップが消失するPc(~0.9 GPa)以上の圧力領域において(1/3, 1/3, 0)付近で新たなBraggピークが出現することを明らかにした。詳細な磁気構造解析の結果、伝播ベクトルが(1/3, 1/3, 0)であり、ab面内で120°構造を形成していることが分かった。得られた臨界指数β = 0.24(1)はXY型の三角格子模型で理論的に予想されるβ = 0.253と非常に近い値である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁場誘起磁気相転移に関してはいくつかの量子磁性体を用いた実験的検証が行われ、マグノンのボース・アインシュタイン凝縮として定量的レベルで記述できることが世界的に定着している。一方、圧力誘起磁気相転移を示す量子磁性体についてはモデル物質の数が限られているのが現状である。本研究により、基底一重項量子磁性体CsFeCl3で見出された圧力誘起秩序相が磁化等のマクロ測定だけでなくミクロ測定によっても確認され、その磁気構造も決定された。単イオン異方性に起因した基底一重項磁性体として初めての物質例という学術的意義も有する。
|