研究課題/領域番号 |
16K05433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
谷口 弘三 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50323374)
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研究協力者 |
小林 拓矢
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 有機伝導体 / 磁性 / ミューエスアール / 磁化測定 / スピン構造 / 磁場誘起相転移 / 重水素化 / 磁気構造 / スピン再配列転移 / ミューオンサイト / 温度磁場相図 / 有機導体 |
研究成果の概要 |
まず、詳細なマクロ磁化測定により、k-ET2Cu[N(CN)2]Clのゼロ磁場反強磁性状態におけるスピン構造を決定した。これは、当初の計画にはなかった望外の成果である。次に、質的には同じ磁性体であると考えられていたk-(d8-ET)2Cu[N(CN)2]Brのスピン構造も決定したが、これら二つの塩のスピン構造が異なるということが判明した。さらに、同じ反強磁性相に位置する6種類の試料でμSR測定を行い、μSR回転シグナルの比を考察し、ミクロな観点でこのゼロ磁場スピン構造の変化を確認した。また、この塩での三つのミュオンサイトの内、二つは分子層で一つはアニオン層であるという重要知見も得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ET塩における重要2物質のゼロ磁場スピン構造を決定したが、これはこの系では初の成功例であり、この系での応用研究(例えば、電気磁気効果の探索、X線照射による磁性変化の研究など)にとって重要な知見となる。また、多数のレビュー論文や専門書などでも取り上げられている有名なκ-型ET塩の温度―圧力相図に、新たな相境界があるという新事実が明らかになった。この相境界の近傍には反強磁性―超伝導の相境界があり、超伝導の出現に対して、この新相境界がどのような役割があるかを再考しなければならない。以上、本研究で得られた知見は、この系の磁性、超伝導研究に不連続的な発展をもたらすと期待される。
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