研究課題/領域番号 |
16K05435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 学習院大学 (2018) 東京工業大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
町田 洋 学習院大学, 理学部, 准教授 (40514740)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 熱電現象 / フォノン流体 / 熱電効果 / 2次元層状物質 / フォノン熱輸送 / 黒リン / 半導体 / 熱電係数 / 絶縁体 |
研究成果の概要 |
2次元層状構造をもつ半導体黒リンのゼーベック係数を室温から低温に至るまでの広範囲で測定し、電気伝導度の温度変化から特徴付けられる熱活性領域、ホッピング伝導領域の各領域におけるゼーベック係数の振る舞いを明らかにした。また低温極限ではゼーベック係数は温度のべき乗に比例して減少することを見出した。このことから異なる符号をもつホールと電子キャリアーが共に存在する黒リンを含む不純物半導体では、互いのゼーベック係数への寄与が低温で相殺する可能性があることを明らかにした。金属絶縁体転移近傍の臨界圧力付近において、ゼーベック係数Sを温度Tで割ったS/Tの増大をもたらす臨界的挙動を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱電効果は廃熱エネルギーを電気エネルギーに変換して有効に活用するための基盤技術である。現在、熱電材料として利用されている物質の多くは半導体である。本研究を通して得られた半導体・絶縁体のゼーベック係数に関する知見は、現状よりも更なる高効率の熱電変換材料の開発に役立てられるものと期待される。また本研究を通じて、絶縁体の低温極限におけるゼーベック係数の振る舞いや、金属絶縁体転移近傍における臨界的挙動が明らかされたことは、固体の熱電現象に関する根本的な理解を進める学術的意義をもつ。
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