研究課題/領域番号 |
16K05436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
川本 正 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60323789)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 超伝導 / 結晶構造 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 強相関電子系 / 反強磁性 / 分子性固体 |
研究成果の概要 |
ドナーとアニオンの組成比が1:1である真性モット絶縁体(BEDT-TTF)TaF6の基底状態がネール温度10 Kの反強磁性絶縁体であることを明らかにした。(BEDT-TTF)2TaF6に複数存在する多形の構造と電子状態も明らかにした。特にkappa型では歪んだ三角格子のダイマーモット絶縁体であるにも関わらず、スピン液体の可能性を見出した。強相関絶縁層をもつ層状超伝導体(EtDTET)(TCNQ)の構造と超伝導転移点を対応させた。2種類ある(BEDT-TTF)2Cu(CF3)4(TCE)の量子振動の測定から、双方とも実効的に1/2充填率バンドであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体において、同一サイトでの電子のクーロン反発によって絶縁体となるモット絶縁体の研究は古くからなされている。四角格子をもつモット絶縁体はそれに相当する物質がないため、理論からの研究がなされている。(BEDT-TTF)TaF6は四角格子をもつ真性モット絶縁体であり、この物質の基底状態が反強磁性絶縁体であることを実験で確定させたことは、モット絶縁体の研究において重要な結果である。また、このような絶縁体の層が組み込まれた層状超伝導体の電子状態を実験により詳しく調べることで、超伝導発現における絶縁層の必要性の解明に繋がるものである。
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