研究課題/領域番号 |
16K05441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
桑井 智彦 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (10251878)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 熱電能 / 強相関電子系 / 比熱 / 極低温 / 装置開発 / 物質探索 / 多極子 / 1-2-20系 / 非フェルミ液体 / 1-2-2-18系 / 電子相関 / 磁気断熱消磁冷凍 / 純良大型単結晶 / La希釈系 |
研究成果の概要 |
初年度に簡便型極低温熱電能・比熱測定装置を先ず構築した。現有の物性測定システムに磁気断熱消磁冷凍器(ADR)オプションを新たに導入し,これに自作の測定系をデザイン,設置した。結果,従来3日間必要だった実験時間を約半日に短縮,寒剤のヘリウム代の大幅な節約を達成した。 次に多極子自由度に起因する異常を極低温で示すと期待される,プラセオジムPr,ネオジムNd,サマリウムSmを含む新奇新物質探索,合成開発を行い,作製報告のないニオブNbとアルミニウムAlを含むNdNb2Al20とSmNb2Al20などの単・多結晶試料作製に成功した。最終的に,ADRを用いて100個以上の物質群の極低温物性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,0.1 Kに至る極低温での熱・熱電物性量を測定するにより,4f電子系化合物の新奇な熱電現象を複数見出すことができた。極低温での測定は,熱揺らぎに遮られる磁気モーメントや電子分布などの量子的自由度の異常な揺らぎを観測したいがためであり,100種類を超える化合物を作製し,量子揺らぎに起因すると思われる異常現象を複数とらえた。熱電能は温度差で起電力が生じるという基礎的物理量であるが,現在0.1Kの極低温までの測定を行える研究者は少数であり,独特な情報を得ることができた点学術的意義は大きい。また,将来を見据え,極寒の宇宙空間では,大きな熱電能を示す物質=熱電素子としての有用性は大きい。
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