研究課題/領域番号 |
16K05447
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 智史 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40587466)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 電荷秩序 / 分子性導体 / 強相関 / 熱容量測定 / 量子スピン液体 / 誘電測定 / スピン液体 / 強相関電子系 / 分子性固体 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
分子ダイマー型Mott絶縁体系の電荷秩序転移挙動および低温の励起構造を調べるため、電荷秩序―量子スピン液体相境界近傍の探索が可能な2種類の混晶塩に対して、熱容量測定・熱起電力測定などを行った。熱容量測定および熱起電力測定の両方で、磁化率の非磁性化と電荷秩序形成は必ずしも対応せず、本系の電荷秩序が高次相転移的な性質を有していることを明らかにした。量子スピン液体領域の電荷秩序相境界近傍では、これまでに報告されていたギャップレス励起とは別種の低エネルギー励起が存在することを発見した。また、本系では短距離の電荷秩序が形成される可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子ダイマー型Mott絶縁体系の電荷秩序転移が高次相転移的な性質を持ち、温度低下に従って徐々に電荷秩序が成長するという特徴は、本系においては短距離の電荷秩序形成が可能であることを示している。量子スピン液体領域の電荷秩序相境界近傍において、ギャップレス励起とは別種の低エネルギー励起を観測したこととを合わせて考察すると、量子スピン液体領域においても小規模の電荷秩序形成やその駆動力となる電荷揺らぎの影響が存在することを示唆している。この結果は、電荷揺らぎに焦点をあてることで量子スピン液体相の実現機構を解明できる可能性を示している。
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