研究課題/領域番号 |
16K05473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯川 諭 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20292899)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 破壊現象 / 非平衡統計物理学 / 確率モデル / 臨界現象 / 乾燥破壊 / 統計的性質 / ファイバーバンドルモデル / 乾燥破壊の確率モデル / パーコレーション / 非平衡物理 / 計算物理 / 統計力学 |
研究成果の概要 |
乾燥破壊に代表されるような内部応力が増加して破壊に至る現象を非平衡物理学の立場で理解するために、確率過程を用いてモデルを構築し、計算機シミュレーションにより研究をおこなった。モデルは二次元の格子上で構成され、応力の非等方的な再分配やエネルギー散逸、および破壊で生じた破片の形状、サイズ分布などを議論できる特徴があり、複雑な現象の理論的理解に適しているモデルになっている。シミュレーションの結果、平衡系の2次相転移で見られる臨界現象的な振る舞いが発見された。この系固有の特徴として臨界指数がパラメーターと共に連続的に変わるような振る舞いが見られ、これらの成果を学会で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乾燥や体積収縮などによる内部応力の増加に伴い発生する破壊現象に対する簡単な確率モデルを構成できたことは学術的な意義がある。また今後の三次元への研究の展開や応力緩和の効果を考察する上でも使えるモデルとなっておりさらなる展開が期待できる。また、成果としての臨界現象的な振る舞いは、まだ完全に理解はできてはいないが、非平衡模型で臨界的振る舞いが出ること、またパラメーターにより臨界指数が連続的に変わるように見えることなど、学術的に意義深い性質が発見された。この点はさらなる解析が必要である。社会的には直接影響のある成果はないが、この研究を通じて破壊現象の理解が深まることで工学的応用などに繋げたい。
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