研究課題/領域番号 |
16K05480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
岡部 豊 首都大学東京, 理学研究科, 客員教授 (60125515)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | モンテカルロ法 / GPU / フラストレート系 / 相転移 / BKT転移 / イジングモデル / クロックモデル / 機械学習 / ポッツモデル / Wang-Landau法 / スピンアイス / フラストレーション / エントロピー / 磁化過程 / 伏見カクタス近似 / クラスターフリップ法 / レプリカ交換法 / 有限サイズスケーリング / 並列計算 / 準結晶 |
研究成果の概要 |
GPUを用いた高速クラスターモンテカルロ法を中心とした効率のよい計算手法を用いて、次の3つの課題に取り組んだ。第1は、パイロクロア格子上のスピン系の相転移に関連したもので、希釈反強磁性系の磁場効果、また、エントロピーの巨大ピークの存在を示した。第2は、大規模モンテカルロ法による2次元クロックモデルのBKT転移の研究で、クラスターモンテカルロ法を用いて、コサイン型、Villian型の相互作用系を系統的に調べ、BKT転移の普遍性を確認した。第3は、機械学習の統計力学への応用で、相転移の分類に機械学習を用いるもので、スピン配置ではなく相関配置を扱うことにより、広いモデルに適用できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
効率のよいアルゴリズムを用いて、複雑な物理系のシミュレーションを実行する研究で、研究成果と共に、方法論としても意味がある。特に、機械学習の進展に注目して、新規に始めた機械学習の統計力学への応用は、BKT転移を示す6状態クロックモデルの訓練データを用いて、2次相転移を示す4状態クロックモデルのテストデータによる相分類を行い、2次相転移の臨界点とBKT転移の臨界線との関連を明らかにするなど、ユニークな研究結果も得た。スピン系の研究の新しいパラダイムを提示するもので、その方法は、一般的で多方面への応用範囲がある。特に量子系への応用は、量子情報・量子計算の研究への展開も視野に入れると、興味深い。
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