研究課題/領域番号 |
16K05503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60272134)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 非平衡状態 / フェルミ原子気体 / 中性子星 / BCS-BECクロスオーバー / Keldysh Green関数 / p波超流動 / クーパー対振幅 / 時間発展 / TDBdG方程式 / スピン軌道相互作用 / Feshbach共鳴 / 非平衡超流動 / 冷却機構 |
研究成果の概要 |
熱平衡状態にあるフェルミ原子ガスの研究で大きな成功を収めた強結合理論を、中性子星の冷却に代表されるような非平衡状態にも使えるよう拡張した。非平衡Keldysh Green関数法を用い、非平衡効果により超流動転移が非常に抑制されることを、BCS-BECクロスオーバー全域で明らかにした。その際、超流動転移にリエントラント現象が見られることを指摘し、その原因がFFLO状態と呼ばれる特殊な超流動状態の対形成揺らぎであることを突き止めた。更に、線形応答領域における強結合フェルミ原子気体の輸送特性を研究、実験結果と比較することで、非平衡状態に拡張した強結合理論の定量的信頼性を検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
粒子間相互作用が強い系は学術的興味だけでなく、高温超伝導など我々の未来の科学技術の発展にとっても重要である。こうした系は、これまで主に熱平衡状態の研究が主であったが、近年、実験技術の進歩により、非平衡状態の性質についても関心が持たれるようになってきた。また、宇宙に目を向けると、粒子間相互作用は中性子星と呼ばれる未だ謎に満ちた天体の理解にも重要であり、やはりそこでも系の非平衡効果の問題は避けて通ることができない。本研究は、こうした新しい研究の流れを受け、中性子星の冷却機構の解明の基礎になる強結合・非平衡超流動理論の構築を行ったものであり、その意義は大きいものである。
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