研究課題/領域番号 |
16K05521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
千葉 文野 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (20424195)
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研究協力者 |
秋山 良
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高分子 / 液体 / 高圧力 / 溶融体 / 空隙 / 液体分離 / 多孔体 / 多孔性物質 / 共結晶 / 枯渇相互作用 / インターカレーション / 吸蔵 / 吸着 / 化学物理 / 高分子構造・物性 / 複合材料・物性 / ナノ材料 / X線回折 |
研究成果の概要 |
高分子P4MP1 [isotactic poly(4-methyl-1- pentene)]は、日本の企業がシェアを占める高分子(ポリオレフィン)の一種で、近年では食品ラップや容器の材料としても目にする機会が多い。我々は、このP4MP1を加熱して融かした状態が、多孔性液体としての特性を示すことを見出した。加圧に際し、溶融高分子中の空隙は収縮するが、減圧に伴い元に戻る。これは既存の"多孔性液体"には無い特性である。 また、P4MP1のフィルムについて、アルカンなど、種類の異なる油同士の分離能があることを見出し、この現象を朝倉大沢理論を用いて説明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、液体状態で多孔性を維持する物質をデザイン・合成することが世界的に行われている。本研究で我々は、溶融P4MP1が多孔性液体としての特徴を有することを見出した。この高分子溶融体において、嵩高い枝分かれ状の構造に起因した細孔は、減圧に伴い細孔サイズが回復する。これは、これまでの"多孔性液体"には見られない特性であり学術的に意義深く、応用にも役立つ可能性がある。 また、P4MP1固体フィルムが油同士の分離能を有する事を初めて見出し、この分子選択性に統計力学的立場から説明を行った。この知見は石油を始めとする液体分離分野に役立つだけでなく、分子認識に関するごく基礎的な知見としても学術的意義がある。
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