研究課題/領域番号 |
16K05611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野坂 俊夫 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80252948)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 海洋リソスフェア / 下部地殻 / 斑れい岩 / 変質作用 / アトランティス・バンク / 海洋底 / 斑レイ岩 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 地殻・マントル物質 |
研究成果の概要 |
南西インド洋海嶺のアトランティス・バンクから掘削採取された下部地殻斑れい岩類中に,黒雲母と黒雲母―緑泥石混合相が広範囲にわたって産出していることを発見した。詳細な顕微鏡観察と化学分析,熱力学的解析を行った結果,斑れい岩中のかんらん石と斜長石が700-800℃程度の高温で,分化したマグマから派生したシリカとカリに富む水溶性流体と反応して黒雲母が生成したことが明らかになった。 また東太平洋海膨のヘス・ディープ・リフトの斑れい岩と,大江山オフィオライトのかんらん岩における蛇紋石化作用を解析し,アトランティス・バンクの斑れい岩と比較することにより,地域間や岩相間の低温変質作用の差異を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋下部地殻を構成する斑れい岩は火成作用による分化の程度が小さく,一般にアルカリ元素に乏しい。海洋下部地殻中に黒雲母のようなアルカリに富む鉱物が産出することは,世界で初めての発見である。これは海洋下部地殻が形成後に広範囲にわたって流体による化学的改変を受けている可能性を示唆するものである。また海洋リソスフェアの高温ならびに低温変質作用は,地域間あるいは岩相間で差異があることが明らかになった。これらのことはグローバルな物質循環および地球環境の変遷のプロセスを理解する上で重要な新知見である。
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