研究課題/領域番号 |
16K05618
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田近 英一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70251410)
|
研究協力者 |
尾崎 和海
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 海洋生物化学循環 / 微生物代謝過程 / 酸化還元環境 / モデリング / 原生代 / 微生物代謝 / 海洋環境 |
研究成果の概要 |
本研究では,きわめて貧酸素的な環境条件にあった原生代の海洋化学環境と海洋微生物生態系活動の関係について,海洋生物化学循環-海洋微生物生態系-大気光化学系結合モデルを開発して検討を行った.その結果,完全な無酸素環境においては,鉄酸化光合成細菌の活動が大気へのメタン放出を飛躍的に増加させることによって,暗い太陽条件における気候形成に大きな役割を果たしていた可能性を明らかにした.一方,原生代の貧酸素環境における海洋一次生産は,現在の10-20%程度,酸素放出率は現在の25%程度であったことを明らかにした.このことは,原生代の酸素濃度が現在の1%以下であったことに合理的な説明を与えるものである.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球環境は,本来的に,大気・海洋・生命圏・固体地球等が互いに関連し合って成立しているが,そうした地球のシステム論的な理解はこれまできわめて限定的である.本研究は,生命圏を含む地球システムのモデリングによって,暗い太陽のパラドックスとして知られる初期地球環境の古典的問題の定量的な説明に初めて成功したほか,原生代の海洋基礎生産が現在の10%程度しかなかったことが当時の低酸素環境の一因であったことを初めて明らかにすることができた.こうしたシステム論的アプローチは,今後ますます重要となるはずであり,そのような方法論の開拓に本研究の学術的意義がある.
|