研究課題/領域番号 |
16K05657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
墨 智成 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (40345955)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | タンパク質 / 熱力学安定性 / 疎水性相互作用仮説 / 溶媒和自由エネルギー / シニョリン / 液体論 / 密度汎関数理論 / F1-ATPase / 化学-力学共役機構 / エネルギー変換効率 / SAXS / Model-potential-free解析 / 自由エネルギープロファイル / GCN4-p1 / 疎水性相互作用 / 圧力変性 / 高温変性 / 生物物理 / 蛋白質 |
研究成果の概要 |
タンパク質構造安定性は,バイオ医薬品の設計にも関係する,社会的に重要な研究課題である.これらの現象論的説明では,約60年もの間,Kauzmannによる「疎水性相互作用仮説」が,中心的役割を果たしてきた.しかしその一方で,観測事実との矛盾が数多く囁かれてきた.本研究では,本仮説の理論的検証を行うために,unfoldingに伴う自由エネルギー変化を溶媒和および分子内相互作用による寄与に分割する計算手法を開発し,モデルタンパク質シニョリンに適用した.それにより,シニョリンは分子内相互作用により安定化しており,溶媒効果はむしろunfold構造を安定化するという,本仮説とは相反する結果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質が示す多様な物性(変性,凝集,溶解,結晶化,液-液相分離)は,基礎科学として幅広い学術分野(化学,構造生物学,医学など)から強い関心を集めているだけでなく,バイオ医薬品の設計や品質管理等の応用にも関係する,社会的に重要な研究課題である.本研究により明らかにされた、タンパク質構造安定性の分子内直接相互作用メカニズムは,これまで長年信じられてきた仮説に関し,再検討する必要性を示唆しており,この根本的理解は今後のバイオ医薬品の設計指針の確立に置いて,極めて重要な位置を占める.
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