研究課題/領域番号 |
16K05665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
鈴木 喜一 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10415200)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光電子円二色性 / 時間反転 / 点群 / 光電子角度分布 / 多光子イオン化 / 分子整列 / ラセミ分割 / 時間反転対称性 / キラリティ / false chirality / 反跳効果 / 円偏光 / 磁気円二色性 / False chirality / 原子・分子物理学 / キラル / ホモキラリティ / 絶対不斉合成 / 円二色性 |
研究成果の概要 |
光電子円二色性とは、分子にキラリティがあり偏光が円偏光である場合、光電子の強度が光の進行方向について前後非対称となる現象のことである。しかし、キラリティと光電子円二色性の関係について、理論的説明が十分になされてこなかった。本研究では、光電子円二色性を物理量として考えた場合に、それが時間反転に関して対称でも反対称でもないことを明かにした。これは、時間反転に関して対称である円二色性とは異なる。その結果、キラル分子だけでなく、直線分子のπ軌道などについても、光電子円二色性は存在することが明かとなった。非キラル分子の光電子円二色性は、一酸化炭素分子についての数値計算でも確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気相でのエナンチオマーの選択的検出法については、最近多くの提案がなされている。エナンチオマーの選択は、宇宙空間での化学進化を考える際も重要な過程である。光電子円二色性の場合、光電子の反跳で、ラセミ体が自然に分離すると信じられている。今回の研究で、光電子円二色性は時間反転に関して、対象ではないことが明かになった。この物理的起源は、運動量が時間反転に関して、反対称であることである。よって、散乱の微分断面積は時間反転に関して対称ではない。このことは、教科書では、光イオン化と放射性再結合の関係の説明で使われている。今回の研究で、それ以外の現象の説明にも時間反転対称性が重要であることが明らかになたった。
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