研究課題/領域番号 |
16K05670
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
藤本 和宏 北陸大学, 薬学部, 講師 (00511255)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 励起状態 / 物理化学 / 生物物理 / 量子化学 |
研究成果の概要 |
高精度電子カップリング計算法であるTDFI法の拡張を行い、振電カップリングの計算を可能にした。また、本手法をザントロドプシンの吸収・円偏光二色性(CD)スペクトルの計算へ適用した。TDFI計算の結果、本系の電子カップリングにはクーロン相互作用が大きく寄与し、交換相互作用の寄与は非常に小さなものであった。したがって、この系での励起エネルギー移動はフェルスター機構が支配的であることが明らかとなった。 計算で求めたCDスペクトルは、実験のCDスペクトルの特徴を再現することに成功した。また、ザントロドプシンの負と正のコットン効果は振電カップリングの影響により出現することが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで励起エネルギー移動(EET)に関する多くの研究が行われてきたが、それらの大多数は双極子・双極子近似が適用可能な系のみを扱ったものである。これに対し、私はこれまでにTDFI法という電子カップリング計算法を考案し、EETの研究対象を広げることに成功してきた。 本研究ではEETの研究対象を更に広げられるよう、TDFI法に振電相互作用を取り込むことを試みた。これにより、これまであまり研究されてこなかった振電カップリングの計算を可能にした。また本手法を生体分子のザントロドプシンに適用することで、EETの分子機構を解明することにも成功した。
|