研究課題/領域番号 |
16K05737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 大地 東北大学, 理学研究科, 助教 (20756514)
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研究協力者 |
福田 慎太郎
徳永 凌祐
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ニオブ / 酸化物 / 酸窒化物 / エピタキシャル薄膜 / 電気輸送特性 / バンドエンジニアリング / 電気伝導性 / 局在 / フェルミ液体 / バナジウム / 磁気抵抗 / 酸化物エレクトロニクス / 還元性エピタキシー / 4d電子系 / パルスレーザー堆積法 / トポケミカルプロセス |
研究成果の概要 |
ニオブ化合物はイオン価数に応じて多様な物性を示すが、準安定な酸化状態を制御するのは難しい。本研究では単結晶基板をテンプレートとして単結晶性薄膜を合成するエピタキシー技術を用い、精密に価数が制御された高品質ニオブ酸化物および類縁体の特性を明らかにした。ニオブが1つの伝導電子を持つ価数状態にある酸化物は、金属並みに高い電気伝導性にくわえて可視光吸収性を示した。電気伝導性はイオン価数だけでなく結晶構造にも大きく依存し、歪みを小さくするとより高くなる傾向を示した。この酸化物に窒素を導入して伝導電子数を減らしていくと、電子が局在した絶縁状態に近づくとともに、可視光の吸収効率が上昇した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ニオブ酸化物やニオブ酸窒化物などの材料は光触媒や光電極として優れた特性を示す光学材料として注目を集めている。本研究ではこれまで合成上の難しさから系統的な調査が乏しかったイオン価数や結晶構造の変化に注目し、電気特性および光学特性を決定づける要因を明らかにした。ニオブの柔軟な価数に応じて電気伝導性は金属的電動から絶縁体的な状態まで大きく変化する一方、可視光吸収係数は特定の組成において高くなることが分かった。これは、単純な金属材料や半導体材料とは異なり、電子間相互作用が顕著なためである。本研究で得られた知見は、高性能なニオブベースの光学材料を設計するための指針になると期待される。
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