研究課題/領域番号 |
16K05742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 さやか 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10361510)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | イオン結晶 / 複合材料・物性 / 酸化還元 / イオン吸着 / ナノ材料 / 触媒・化学プロセス / 無機工業化学 |
研究成果の概要 |
ナノサイズの無機金属酸化物クラスターであるポリ酸は、可逆的な多電子酸化還元特性を有することから、機能性材料の構成ブロックとして用いられている。まず、ケギン型ポリ酸を構成ブロックとする多孔性イオン結晶が、ポリ酸の還元に伴い水中から結晶内へと高選択的にセシウムイオンを吸着すること(還元的導入)を報告した。次に、ケギン型よりも立体的に嵩高い骨格と優れた還元特性を有するドーソン型ポリ酸を用いると、セシウムの吸着速度と吸着量が大きく向上した。さらに、中性カプセル状のポリ酸にセシウムイオンの還元的導入を行うと、新規な無機多孔性結晶が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本大震災に伴う福島第一原発の事故により放射性物質が環境中に放出され、特にセシウム137は半減期が約30年と長く、その除去が強く望まれている。セシウムは周期表の左下にある陽性の高い元素であるため、正電荷を持つ陽イオンとして環境中に存在するが、複数かつ高濃度の陽イオンを含む環境水から低濃度の放射性セシウムイオンを選択的に吸着除去するのは難しい。この課題に取り組むため、酸化還元活性を示すモリブデンを含むポリオキソメタレートを用い、多孔性イオン結晶を合成した。この化合物にビタミンC水溶液を加えるとポリオキソメタレートが還元され、この負電荷の中和のため、セシウムイオンが高選択的に吸着された。
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