研究課題/領域番号 |
16K05759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
鈴木 健太郎 神奈川大学, 理学部, 准教授 (60512324)
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研究分担者 |
菅原 正 神奈川大学, 理学部, 特任教授 (50124219)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自己駆動 / 走光性 / 油滴 / ジャイアントベシクル / 両親媒性分子 / ケージド化合物 / 自走性油滴 / 非線形挙動 / 非線形現象 / オレイン酸 |
研究成果の概要 |
紫外線照射によって反応制御できるケージド脂肪酸からなる油滴が、紫外線の照射方向に向かって自走する走光性を示すことを見いだした。油滴に照射した紫外線は、油滴内部を透過する際に減衰するので、紫外線照射面とその逆側の面とで光分解反応効率が異なる。このことが、運動の方向性を決めている。また、化学反応進行とともに、油滴内部に対流が出現し、これが自らの運動の持続、安定化に寄与することを明らかにした。さらに、光応答性を持たないベシクル内部に本油滴を封入することで、油滴単独とは運動機構は異なるものの、ベシクル全体に運動を誘起しうることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光照射によって化学反応を制御できるケージド化合物の特徴を利用して、外的刺激によってその運動性や方向性を制御できる自走油滴という新しい系の構築に成功した。この走光性の発現には、単なる外的刺激応答だけでなく、自らの動きを安定化・持続化する機構を有しており、研究当初に目指した「刺激によって活性化した内部応答により自律的に運動を作り出す生物の示す動きに通じる特性」を有し興味深い。さらに、作られた油滴を駆動源として、本来動きを持たないベシクルに動きをもたらすことにも成功した。従来自走性油滴の運動は、自らを動かすことのみ使われるが、本手法を利用することで、新しい物質輸送系にまで展開できるものと期待される。
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