研究課題/領域番号 |
16K05913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
登阪 雅聡 京都大学, 化学研究所, 准教授 (10273509)
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研究協力者 |
シリラック プムプラダ
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 伸長結晶化 / 表面エネルギー / 結晶核生成 / 形態エントロピー変化 / 天然ゴム / 高分子ネットワーク / 融点 / 表面自由エネルギー / 配向 / 高分子結晶 / ゴム |
研究成果の概要 |
架橋密度の低い天然ゴムを高速で伸長すると、半結晶性の準安定状態となって形状を記憶する。この準安定状態をもたらす要因を明らかにする事が研究の目的である。 伸長により生成した結晶は、通常とは異なる安定な表面構造となるため融点が高く、その結果、ゴムを張力から解放しても結晶が溶けずに形状を維持するのだと示した。天然ゴムの平衡融点についても再検討し、既報より25℃近く高い60℃付近であることを明らかにした。さらに、非晶領域も準安定状態に重要な役割を持つことを見出した。むしろ、通常のゴムが伸長非晶鎖の収縮力に影響されており、これまでの理論で予想されるよりも低融点である事が新しい知見として得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伸長した高分子の結晶化は、成形加工やゴムの自己補強効果と関係する、重要な現象である。これまで、伸長の及ぼす効果は分子の形状変化によって説明されていたが、5桁以上にも及ぶ結晶化速度の向上や、本研究で取り上げた準安定状態の出現を説明することは出来なかった。本研究では、伸長により生成する結晶の表面構造が静置下で生成する折り畳み結晶とは異なる安定なものである事を見出した。また、そのために結晶化が促進される効果は、従来考えられていた分子の形状変化よりも遙かに大きく、急激な結晶化速度の向上を説明するに十分である。これは伸長した高分子の結晶化に関する新しい概念であり、当該分野の発展に繋がると期待される。
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