研究課題
基盤研究(C)
本研究では,機械技術者が新しい設計の発想を得るのに役立つ,生物の3次元形状データからなるデータベースを作成した.様々な動物の骨をCTスキャンして,25種の動物における約200点の骨の3次元形状データを作成した.機械構造の設計では,強度や剛性などの力学的な仕様を満足することが要求される.本研究ではデータベースから選んだ生物の3次元形状を単に設計者に示すだけでなく,複数の生物形状を合成して機械構造の力学的仕様に適した最適設計を得る手法も開発した.開発した手法を用いて,ムササビの尺骨(腕の骨)が衝撃荷重を緩和するのに優れた形状であることを示し,杖の最適設計に応用して手法の有効性を明らかにした.
構造の設計を目的とした生物の3次元形状モデルのデータベースは,生物学の分野においても例が無く,新たな観点から生物に関するデータベースを構築した点で学術的価値は高い.生物に詳しくない機械分野の設計技術者であっても,データベースを通じ生物の三次元形状を視覚的に捉えることができ,設計ツールであるCADやCAEに読み込むことができる.そのため,機械設計において新しい設計アイディアを生み出す有効なツールとして普及することが期待できる.また,生物の3次元形状を合成して形状最適化する手法で,仕様に応じた設計もできるようになり,機械産業におけるバイオニックデザインの可能性を広げた社会的意義は大きい.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
日本機械学会論文集
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http://bid.w3.kanazawa-u.ac.jp