研究課題/領域番号 |
16K06269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
末吉 哲郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (20315287)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束ピンニング / 照射欠陥 / 異方性 / イオン照射 |
研究成果の概要 |
重イオン照射を用いて高温超伝導薄膜のab面方向に対して方向を制御した柱状欠陥を導入し,ab面方向の磁場に対する柱状欠陥のピン止め特性について調べた.ab面に対して±5deg.の小傾角で交差した柱状欠陥を導入すると,ab面に平行な磁場でのJcを大きく改善した.一方,ab面方向に対して傾斜した柱状欠陥は,その長さ方向の磁場では強いピン止めを示すが,磁場方向がab面方向に近づくにつれて急激にそのピン止め力は弱まり,ab面方向の磁場ではJcの増加は見られなくなった.以上は,ab面方向の磁場においても磁束ピン止めに対して柱状欠陥の交差効果が現れることを初めて実験的に明らかにしたものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,重イオン照射を用いて系統的に角度を制御した柱状欠陥を導入することで,高温超伝導体のab面方向の磁場での柱状欠陥のピン止め効果を初めて実験的に明らかにし,ab面方向の量子化磁束特有のピン止め物理に対する知見を得た.また,高温超伝導体のab面方向の磁場での高臨界電流密度化(高Jc化)に対して,有効となる柱状欠陥の導入形態を明らかにしたことで,実用化の妨げとなっているJcの異方性の緩和のための指針の一つとなり得る.
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