研究課題/領域番号 |
16K06546
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木計画学・交通工学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
阿部 貴弘 日本大学, 理工学部, 教授 (90549445)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 近世城下町 / 町人地 / 設計論理 / 水系 / 町割 / 地形 / 近世湊町 / 城下町 / 水都 |
研究実績の概要 |
過年度の事例分析を通して、近世城下町において、「内濠」「外濠」「その他の舟運路」といった濠及び掘割等の水系の役割ごとに、特に地形との関係に配慮して、開削位置決定にあたっての基本的な考え方を整理した。2023年度は、こうした基本的な考え方を踏まえ、即地的に、どのような論理で水系の設計が行われたのか、より詳細な設計論理の解明に取り組んだ。 十分な史料が遺されていない設計論理の解明にあたっては、類型学的アプローチが有効であると考え、まず、近世初期の1640年代に作成された『正保城絵図』が現存している城下町(63城下町)を対象に、分析資料として「正保城絵図」及び現代の「等高線図」、「治水地形分類図」を用い、城下町の立地や地形特性を踏まえ、濠及び掘割の水源や導水方法(水の回し方)の視点から近世城下町の類型化を試みた。その結果、大分類として「Ⅰ.空濠・濠無し型」「Ⅱ.棚濠型」「Ⅲ.河川活用型」「Ⅳ.水面引込型」の4類型、さらに細分類を含めると全7類型を抽出した。そのうえで、水系の役割を加味して、類型ごとに、濠及び掘割の機能や造成技術、さらに造成上もしくは利用上の得失(メリット・デメリット)について考察した。 こうした類型化を通して、類型間の比較分析を行うことで、類型ごとに、濠及び掘割等の水系の設計論理の特質を明らかにすることができた。なお、個々の城下町においては、いわゆる城郭エリアと城下町エリア(武家地や町人地など)で異なる類型すなわち異なる設計論理となることも示すことができた。 以上により、これまで明らかにされてこなかった、近世城下町の水系設計の論理をインフラ整備の視点から明らかにすることができた。これらは、近世城下町の都市設計論理の全体像の解明に寄与する成果であると考える。
|