研究課題
基盤研究(C)
本研究では塩濃度を変化させたときの鉱物表面上における油の吸着構造を探り、低濃度塩水による石油増進回収法(EOR)メカニズムを分子レベルから明らかにすることを目的としてX線CTR散乱法測定、分子動力学シミュレーション、濡れ性測定を行った。 その結果、粘土鉱物を多く含む砂岩貯留層の場合、高pH条件で酸性油と鉱物の間にカチオン架橋構造を形成することによって酸性油が吸着し、特に二価のCa2+イオンが本質的な役割を果たすことがわかった。 一方、炭酸塩貯留層の場合、低pH条件で方解石表面に酸性原油が強く吸着し、一価のNa+が重要な役割を果たしていることがわかった。
低濃度塩水による石油増進回収法(EOR)は従来の化学薬剤を用いるEORに比べて環境負荷が小さく経済的であることから、適用例が増えている。しかし、その油回収率を向上させるメカニズムは十分に解明されておらず、油田によってはその効果がほとんど見られない場合もある。実験やシミュレーションを含む分子スケールの研究を実行することによって、我々は低塩分濃度水攻法によるEORメカニズムに関する新しい理論を提供することができた。
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Energy & Fuels
巻: 32 号: 3 ページ: 2781-2792
10.1021/acs.energyfuels.7b02881
SPE Journal
巻: Preprint 号: 03 ページ: 0952-0968
10.2118/189465-pa
石油技術協会誌
巻: 83 ページ: 418-418
J. Phys. Chem. C
巻: 121 号: 17 ページ: 9273-9281
10.1021/acs.jpcc.6b12116
Accounts of Chemical Research
巻: 50 号: 7 ページ: 1530-1540
10.1021/acs.accounts.7b00049
Langmuir
巻: 33 号: 15 ページ: 3892-3899
10.1021/acs.langmuir.7b00436
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻: 4 号: 1 ページ: 145-148
10.18957/rr.4.1.145
130007969386
巻: 81 ページ: 416-417