研究課題/領域番号 |
16K07061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 幸生 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (10295511)
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研究協力者 |
伊東 秀記
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 横浜市 / 神経生物学 / 脆弱X症候群 / ユビキチン / セマフォリン |
研究成果の概要 |
神経回路形成時の軸索ガイダンス、シナプス形成における脆弱X精神遅滞蛋白質 (FMRP) の役割をユビキチン化・局所翻訳との関連で検討した。FMRPは軸索ガイダンス分子Sema3A刺激後、成長円錐内でユビキチン-プロテアソーム系により分解され、その結果、局所翻訳が惹起されて成長円錐の形態変化が生じることを明らかにした。また、FMRPのユビキチン化関連遺伝子を同定し、同遺伝子産物がFMRPを顆粒状に集積させた後、消失させることを発見した。FMRP含有顆粒はシナプス形成時にも観察された。従って、FMRPのユビキチン化はFMRPの顆粒形成や局所翻訳の調節を介して神経回路形成に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脆弱X症候群 (FXS)は遺伝性の発達障害としては最も頻度の高い疾患であり、知的障害、自閉症等の症状を示す。FXSの原因遺伝子産物であるFMRPは神経細胞において軸索、樹状突起における局所翻訳を制御し神経回路形成において重要な役割を担っているが、そのメカニズムは不明であった。我々が今回明らかにしたメカニズムは神経回路の発達にFMRPのユビキチン化が関与することを示唆する結果である。FXSに対する創薬は自閉症全般に応用できると考えられ、多くの製薬会社が参入しているが、まだ有効な薬剤は開発されていない。本研究の親展によりFXSの病態の一端が明らかになり、治療法の開発や創薬に結びつく可能性がある。
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