研究課題/領域番号 |
16K07109
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
|
研究機関 | 順天堂大学 (2017-2018) 東京大学 (2016) |
研究代表者 |
伊佐山 浩通 順天堂大学, 医学部, 教授 (70376458)
|
研究分担者 |
伊地知 秀明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70463841)
|
研究協力者 |
佐野 誠
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 膵癌 / ケモカインシグナル / CXCR2 / ノックアウトマウス / 膵発癌モデル / 微小環 / CCR2 / 微小環境 |
研究成果の概要 |
最難治癌の膵癌の病態解明と予後に寄与する治療の開発は急務である。これまでに膵癌細胞と線維芽細胞の双方がCXCケモカインを産生して相互の細胞浸潤・遊走を促進し腫瘍促進効果を示すことを明らかにしてきた。本研究では、臨床の膵癌像をよく再現する膵発癌モデルにおいてケモカイン受容体Cxcr2の全身ヘテロノックアウトを加えた際の表現型を解析した。Cxcr2のヘテロノックアウトにより、担癌マウスの生存期間が有意に延長し、腫瘍組織では癌細胞の脈管浸潤が減弱し、また好中球・MDSC浸潤が減弱し、マクロファージのM1/M2比が上昇する免疫炎症系微小環境のシフトが生じており、癌細胞のアポトーシスが増加していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は、最も予後不良な最難治癌であり、罹患数・癌死数とも増加の一途を示しているため、膵癌の病態理解および予後改善につながる知見は、社会的にもインパクトが大きい。膵癌は間質の増生・著明な線維化が組織学的に大きな特徴であり、癌の微小環境における腫瘍・間質間の相互作用が予後を含めた病態に深く関わっていると考えられるが、間質をいかに制御すべきかについてはまだ確立されていない。本研究では、CXCケモカインシグナル阻害による腫瘍間質相互作用の抑制が、膵癌における免疫炎症系微小環境のシフトを生じ、生命予後改善に寄与することが示され、微小環境の制御を通じた膵癌制御の新たなメカニズムを示した。
|