研究課題
基盤研究(C)
本研究では、がん微小環境を標的としたバイオマーカーやそれに対応する標的化抗体を探索することを目的としている。メラノーマの新たなバイオマーカーとして同定したIL13Ra2について、がん組織のSecretome解析によりIL13Ra2に依存して発現の増減を示す因子を複数同定した。IL13Ra2過剰発現やsiRNAによるIL13Ra2の機能喪失実験に呼応した転写発現動態を示すAREGを発現するSK-MEL28を用いてXenograftを作成すると、Controlに比べ強い血管新生を伴う病理像を得た。メラノーマに発現するIL13Ra2はAREGを発現調節して造腫瘍性に寄与すると考えられた。
本研究は難治疾患に該当する悪性黒色腫について、がんを標的とした抗癌剤治療に制限が生じている現状を鑑みて、がん微小環境を構成する他の種類である間質細胞に着目した新しい抗体治療の基礎的知見を得ようとするものである。IL13Ra2を悪性黒色腫の新しいバイオマーカーに同定していたが、この悪性化に至る分子メカニズムを同定して、当該分子AREGに対する治療抗体を探索しようと試みた。特にIL13Ra2とAREGの発現協調性について解析も行い、学会発表および論文として発表を行った。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (2件)
PLOS ONE
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