研究課題
基盤研究(C)
がんは解糖系酵素Pkmの特定isoform(Pkm2)を選択的に発現していて、このPkm2発現がワールブルグ効果(ブドウ糖が好気的に代謝されにくい性質)に深く関与する。一方、化学・放射線療法の様なDNA損傷を伴う治療に晒された腫瘍細胞が、細胞老化を起こすことが知られている(治療誘導性の細胞老化)。興味深いことに、治療誘導性細胞老化の局面において、前述のPkm2発現が減少し、代わりにもう1つのアイソフォーム、Pkm1の発現上昇が起きることを我々は観察していた。本研究は、そのようなPkm2→Pkm1のスイッチが、細胞内代謝ネットワークに及ぼす影響等を明らかにした。
細胞老化に伴いグルコース取り込みが亢進することが報告されている。本研究では、取り込まれた大量のグルコースが、腫瘍細胞にてどのように代謝されるのか、重要な知見を得ることができた。他研究にて細胞老化に伴う代謝変化にPdK-Pdhの制御が関与することが示唆されていたが、加えて、Pkm1-Pkm2の制御も重要であることを明らかにできた。Pkm1がNAD合成系を活性化するという知見は、“NAD合成がSASP(senescence-associated secretory phenotype)現象と密接に関連する”とする他グループからの報告と合致しており、今後、さらなる詳細の解明が期待される。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)
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