研究課題/領域番号 |
16K07249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大畑 樹也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80616459)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エピジェネティクス / X染色体不活性化 / ノンコーディングRNA / アンチセンスRNA / cisNATs / Tsix / ヘテロクロマチン / クロマチン / ダイナミクス / 非コードRNA / lncRNA |
研究成果の概要 |
転写はクロマチンと呼ばれる分子複合体の動的な変動を介して制御されているが、その制御因子や機構に関する知見は乏しい。 本研究では、Tsix発現誘導系を用い、Xist遺伝子座における動的な条件的ヘテロクロマチンダイナミクスの解明を試みた。結果、段階的な変換を明らかにした。始めに、オープンクロマチンおよび活性型ヒストン修飾導入を伴う一時的な発現上昇が確認された。次に、ヒストン修飾変化を伴うTsix 依存的で可逆的な発現抑制へと推移した。最後に、DNAメチル化導入を伴う、Tsix非依存的で不可逆的な発現抑制状態へと推移した。本研究成果は、条件的ヘテロクロマチン形成機構の理解に大きく貢献する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、Tsix RNA によるエピジェネティック修飾および構造変化の関係性及び階層性を明らかにした。この成果は、アンチセンス転写による制御機構の理解に留まらず、エピジェネティクスを介した遺伝子発現制御機構といった、さらに一般的な基礎研究領域にも貢献する。 発生段階や細胞分化に応じてヘテロクロマチン化する領域は条件的ヘテロクロマチンとよばれており、この時間空間特異的な発現調節機構の理解は、再生医療や老化、その破綻によるがんを含む各種疾患への関与など、その応用面でも注目されている。本研究成果により明らかとなった条件的へテロクロマチン形成機構の理解は、各種疾患への応用へも期待される。
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