研究課題
基盤研究(C)
グレリン受容体の立体構造を特異的に認識するアルパカ・ナノボディは残念ながらまだ取得できていない。今後もさらにスクリーニングを継続する必要がある。その一方で並行して進めていたグレリン受容体に対するマウス・モノクローナル抗体を取得することができ、これを用いて予定外にグレリン受容体の不活性型の構造を得ることができた。TM6とTM7の間のフェニルアラニン・クラスターとグレリンの脂肪酸修飾基が相互作用し、これによってグレリン受容体が活性型に変化することが想定された。これによって、なぜグレリンのオクタン酸が受容体活性に必要なのか、そのメカニズムの一端が明らかにされた。
グレリンは典型的なGタンパク質共役型受容体(GPCR)であるグレリン受容体に結合して、その生理作用を現す。グレリンはペプチド・ホルモンであるが、N末端から3番目のセリン残基が中鎖脂肪酸のオクタン酸によって修飾されており、しかもこのオクタン酸が受容体の活性化に必須であるという極めて珍しい構造をしている。今回の研究によって、なぜグレリンがペプチド部分だけでは受容体を活性化できず、オクタン酸の修飾があって始めて受容体を活性化できるのかが明らかになった。この知見はグレリン受容体の新しいアゴニストやアンタゴニストの合成に応用でき、摂食障害や食欲不振症などへの応用が期待される。
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