研究課題/領域番号 |
16K07299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
坂本 順司 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (80175364)
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研究協力者 |
ミヘル ハルトムート
サファリアン シャーラ
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 呼吸鎖 / シトクロム / 好熱性細菌 / アミノ酸生産菌 / グラム陽性菌 / 生体エネルギー変換 / 電子伝達系 / コリネバクテリウム / シトクロムbd / キノールオキシダーゼ |
研究成果の概要 |
多くの生物は呼吸によって活力を得ている。吸い込んだ酸素の力で食物の有機物を酸化(穏やかな燃焼)する反応を行う分子装置を呼吸鎖酸化酵素と呼ぶ。ヒトや家畜で働くヘム銅型酸化酵素は1995年以来精密な立体構造が解かれ詳しく研究されてきた。本研究では、多くの微生物で働くシトクロムbd型酸化酵素の原子レベルの精密構造を、ドイツの研究所との共同で世界で初めて解き、本研究期間に学術論文として公表した。また、その3つのヘムの酸化還元電位に関する新たな知見を得た。さらに、この新たな構造に基づき、in silicoシミュレーションによる新規抗菌薬の候補化合物を絞り込む段階に達した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で精密な分子構造の解明に成功したシトクロムbd型酸化酵素は、従来から解明されていたヘム銅型酸化酵素とは異なり、ヒトや家畜には存在せず、結核菌やジフテリア菌、MRSAを含む黄色ブドウ球菌など多くの病原菌の生存や毒性に関与している。これらの病原菌では、従来の医薬品が効かない耐性菌の発生が、先進国と発展途上国の両方で大きな問題となっている。今回の精密構造に基づき、新しい阻害剤を設計したり探索したりすることにより、これまでより作用が強かったり耐性を回避できる新タイプの抗感染症薬を創出できる道が開かれた。
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