研究課題
基盤研究(C)
細胞内の様々な酵素の活性は必ずしも一定ではないことが明らかにされつつあり、同一の分子であっても、細胞内で時間的あるいは空間的な活性のバリエーションが存在して、その違いにより異なる細胞応答を生じる可能性が指摘されている。本研究では、細胞のストレス応答を担うp38の動的な活性の生理的意義を探索する目的に、光照射依存的なp38制御系の構築をねらい、これに成功した。また、炎症応答を引き起こすIL-1βの刺激に対して、JNK活性が短時間しか持続しないという性質を有すること、また、この現象がp38依存的なJNKの抑制系に原因があることを解明した。
光を用いて生きた細胞内の情報伝達機構を解析する手法の開発が世界的に盛んに行われており、身体の部位特異的に遺伝子操作や細胞機能を制御することが可能になりつつある。光による神経活動操作法が開発されて以来、光操作は神経科学研究などに多用されているものの、細胞内シグナルを直接的に光で制御するものは少なく、がんや免疫異常などの治療法探索に資する光操作技術は十分ではない状況である。本研究では世界に先駆けてMAPK活性操作手法の開発に取り組み、炎症応答や細胞ストレスの中心経路であるp38経路の活性制御手法の実現に成功した。また、JNK活性の可視化によりp38とJNKに新しい連関機構を見出すことにも成功した。
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