研究課題
基盤研究(C)
ネムリユスリカと近縁種のマンダラネムリユスリカの幼虫はカラカラに乾燥しても死なない。両種は体内に大量のトレハロースを蓄積することにより乾燥の無代謝状態(Anhydrobiosis)を実現することを明らかにした。Anhydrobiosisの誘導メカニズムに関してはheat shock factor (HSF)という転写因子が乾燥過程で保護因子やトレハロースの合成経路の一部を誘導することを証明した。一方、トレハロースによるシグナル伝達は否定された。また、今まで注目を浴びなかった再水和過程のトレハロース分解が生命維持に必要な代謝機構を支えることにより生存に必要不可欠であることを明らかにした。
学術的に乾燥休眠を示すネムリユスリカ類の間では保護物質をしてのトレハロース蓄積が保存されていることを証明した。heat shock factor (HSF)という転写因子が乾燥休眠の一つの主な引き金であることを明らかにしたのは乾燥耐性の誘導メカニズムを解明するために重要な第一歩であることを評価する。乾燥幼虫の再水和におけるトレハロースの分解と抗酸化能力の維持との関係を証明することができなかったものの、今まで不明だったその役割は生命維持に必要な代謝機構を支えていることが明らかになった。以上の成果が細胞や生体物質の常温乾燥保存技術の開発に貢献することを期待している。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)
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