研究課題/領域番号 |
16K07309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中村 寛夫 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 専任研究員 (80270594)
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研究協力者 |
久野 玉雄
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ヘム / ABCトランスポーター / グラム陽性細菌 / ヘムエクスポーター / 膜タンパク質 / 再構成 / エックス線結晶構造解析 / ヘム排出ポンプ / 病原菌 / ATP / ABC トランスポーター / 排出ポンプ |
研究成果の概要 |
ヘムは生物にとって重要なタンパク質因子であるが、遊離ヘムは細胞毒性をもつ。病原性細菌は宿主血中ヘモグロビンのヘムを奪い、鉄・ヘム源として利用する。このとき、黄色ブドウ球菌のような外膜をもたないグラム陽性細菌は細胞膜が高濃度のヘムに晒される。HrtBAタンパク質はヘムを解毒するABCトランスポーターであり、血中での増殖に必要なため多くのグラム陽性病原菌に保有されている。本研究ではHrtBAヘム排出ポンプタンパク質の大腸菌での機能発現、膜画分からの可溶化、精製、膜再構成を行い、ヘム結合とATPase活性化の共役を明らかにした。さらに、ヘム型、ATP型、フリー型の結晶構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘムが重要なタンパク質因子であることは周知のとおりであるが、毒性をもつことはあまり知られていない。本研究はグラム陽性病原性細菌が血中で増殖するために必須なヘム解毒装置であるHrtBAヘム排出ポンプの機能と構造を明らかにした。また、ABCトランスポーターの普遍的メカニズムであるATP結合・加水分解反応と共役した基質輸送のしくみも生化学データと構造データを用いて説明できるようなった。 近年、従来の薬剤に対する耐性菌の出現が社会的問題となっている。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌は常在菌でありながら、血中での増殖は敗血症など致命的病気に結びつくため、ヘム排出ポンプに対する新たな薬剤開発は重篤化予防に役立つ。
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