研究課題/領域番号 |
16K07325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
鷹野 優 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (30403017)
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研究協力者 |
中村 春木
齋藤 徹
近藤 寛子
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 水素結合 / タンパク質 / 高次構造 / 構造形成 / 二次構造 / 分子力場 / αヘリックス |
研究成果の概要 |
タンパク質の機能発現の理解に必須である古典力学分子シミュレーション(MD)で用いられている分子力場の精度が不十分であるため、計算結果の信頼性には問題が残っている。本申請では、「アミノ酸主鎖の水素結合エネルギーには高次構造依存性がある」といった現象にもとづき、信頼性の高い量子化学計算を用いてタンパク質構造形成に重要である水素結合の高次構造依存性、特にαヘリックス中では水素結合エネルギーが通常のペプチド基同士のものに比べて弱くなっていることを示した。またその起源が隣接するペプチド基による水素結合を作るC=O基やN-H基の脱分極効果に由来することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質構造形成に重要であるアミノ酸主鎖の水素結合エネルギーには高次構造依存性が代表的な二次構造であるαヘリックスに関して示され、その起源も明らかにした。この成果は、構造形成に関わる水素結合が二次構造の影響を受けているという力場の本質的な問題を顕わにし、二次構造にもとづく分子力場の開発の必要性を示した。今後、高次構造依存性をとりこんだ新たな力場により、これまで力場の問題のために到達できないと思われていたミリ秒から秒にわたる長時間MDによるタンパク質の動的構造の追跡にも挑戦することが可能となり、タンパク質構造予測等の計算の信頼性が向上し、タンパク質設計による新規機能性分子の創成も期待される。
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