研究課題
基盤研究(C)
アブラナ科植物のRorippa aquaticaは、ちぎれた葉の根元側(基部側)の断面から不定芽を形成して無性的に繁殖している。本研究では、この植物をモデルとして、栄養繁殖のメカニズムを明らかにすることを目的とした。まず、発生学的な解析により、葉の切断後、1日程度で基部側の維管束近傍の細胞分裂が活性化し、de novoな器官形成によって再生していることが明らかにした。また、経時的なトランスクリプトーム解析や生理学的解析の結果から、葉の切断後に極性輸送で基部側にオーキシンが輸送されて蓄積することが再生を誘導していることがわかった。また、シュートの再生にはサイトカイニンが重要な役割を果たしていた。
本研究は、これまで適切なモデルが存在しなかったことにより研究がほとんど進んでいなかった栄養繁殖について、R. aquaticaという新しいモデルを用いて研究することが特色である。本研究により、栄養繁殖のメカニズムについて多くの新たな知見が得られたことに大きな意義がある。また、本研究の成果を応用すれば、栽培作物などに高い再性能を付与できる可能性があり、有用作物の改良にも役に立つ。長期的に見れば優良な性質を持つ個体の大量培養、F1雑種系統の維持、絶滅危惧種の繁殖などにも応用可能であり、農業や園芸などの農学分野や保全生態学の分野で役に立つと期待できる。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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