研究課題
基盤研究(C)
生物の生命維持にとって、染色体が次世代の細胞へ正確に伝わることは、極めて重要である。そのためには、細胞分裂の過程で染色体が娘細胞へ分配されなければならない。染色体の分配には、両極から伸びた紡錘体微小管が染色体上のセントロメア領域と結合することが必要である。通常、セントロメアは、染色体の特定の領域に一箇所形成されるが、それがどのように形成されるかは、不明である。セントロメアの形成は、DNAの塩基配列に依らないエピジェネティックな機構で形成されると考えられているが、その分子機構について未知な点が多い。本研究は、セントロメアに特異的なヒストン修飾を同定し、セントロメア形成におけるその意義を解明しようとしたものである。研究の結果、セントロメア領域では、ヒストンH4の5番目と12番目のリジン残基がアセチル化されることが判明し、そのアセチル化には、Hat1-RbAp48複合体が関与していることを明らかにした。さらに、この修飾が、おきないと、セントロメアに特異的なヒストンであるCENP-Aがセントロメアに導入されないことも判明した。その理由として、CENP-AのシャペロンであるHJURPの活性が下がっていることも明らかにできた。セントロメアの形成機構の理解につながる重要な成果と考えている。
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Nature communications
巻: 7 号: 1 ページ: 13465-13465
10.1038/ncomms13465
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/jpn/events/achievement/shang-fukagawa-20161104/