研究課題/領域番号 |
16K07482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田邊 力 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30372220)
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研究協力者 |
本間 淳
持田 浩治
曽田 貞滋
MAREK Paul E.
桑原 保正
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 擬態 / 警告色 / ヤスデ / ハエ / 寄生 / 種分化 |
研究成果の概要 |
ババヤスデ属ミドリババヤスデ種複合体とアマビコヤスデ属の間で、灰色の警告色ミュラー型擬態環と思われる例を確認した。ミドリババヤスデ種複合体では、灰色擬態環からオレンジや灰とオレンジの中間色へと移行していると考えられる系列も確認された。鳥類捕食者へ警告効果において、灰色はオレンジや中間色よりも高いと推定された。ヤスデ類へのハエ類の捕食寄生圧は灰色のヤスデ種に偏っていた。灰色擬態環は、鳥類捕食圧とハエ捕食寄生圧のバランスで形成されるのかもしれない。ミドリババヤスデ種複合体で生じている体サイズと交尾器サイズの多様化に起因する多発的種分化は、この体色進化を促進していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、今までほとんど解明されていなかった、ミュラー型擬態の形成条件の一つを示した点で注目される。ある体色への選択圧の方向が、捕食/寄生者により異なる場合、その兼ね合いにより、ミュラー型擬態環の成立が決まることを野外の生物で示唆すことができた。この成果は、警告色の擬態研究のみならず、体色の進化研究一般に対して、インパクトを持つものと期待される。
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