研究課題/領域番号 |
16K07504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 筑波大学 (2017-2018) 東京大学 (2016) |
研究代表者 |
柴尾 晴信 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (90401207)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会性アブラムシ / 階級分化 / 母性効果 / 季節多型 / 社会性昆虫 |
研究成果の概要 |
社会性昆虫であるハクウンボクハナフシアブラムシにおいて、コロニーの分業体制を支える表現型多型(階級/モルフ分化)の制御に関与する環境要因を特定し、季節に応じて各階級・モルフの比率が適応的に制御されるメカニズムについて、「母性効果」の役割に着目して調べた。その結果、本種の階級/モルフ分化の制御には3つの環境要因(密度・日長・温度)が複合的に働き、特定条件の組合せで兵隊階級や有翅モルフ(有翅産性虫)が排他的に分化誘導されることがわかった。また、親・子世代を様々な環境条件下で育て、子の階級やモルフを観察することで、母親の受けた環境条件が「母性効果」として働き、子の表現型に反映されることを確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハクウンボクハナフシアブラムシの兵隊階級と有翅モルフの分化に関与する環境要因(密度・日長・温度)を特定し、子世代の階級/モルフ分化の制御において、密度や日長情報が「母性効果」で親から子に伝わることを明らかにすることができた。すなわち、アブラムシの社会制御においては、巣仲間の社会的情報(密度)だけでなく、季節特異的な母性効果(日長etc.)も重要であることがわかった。母性効果を考慮することにより、これまで解釈がむずかしかった社会性昆虫の階級制御と季節的多型現象を統合的に説明可能となった。
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