研究課題/領域番号 |
16K07511
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
前川 清人 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (20345557)
|
研究協力者 |
矢口 甫
増岡 裕大
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 社会性昆虫 / カースト分化 / 兵隊 / 幼若ホルモン / 脱皮ホルモン / 性決定遺伝子 / 次世代DNAシーケンサー(NGS) / RNA-seq / シロアリ / 性 / 遺伝子 |
研究成果の概要 |
防衛のための高度に特殊化した兵隊の存在は,社会性昆虫のシロアリが持つ大きな特徴である。系統的に祖先的なグループでは,兵隊の性が一方に偏ることはない。しかし派生的なグループでは,兵隊の分化経路に明瞭な性差がみられる種が多く存在する。この違いが生じる至近的な理由を明らかにするために,性決定にかかわる遺伝子経路の特定を試みた。経路の末端にある転写因子は,これまで他種昆虫で知られている既知の遺伝子とは,配列や発現の特徴が大きく異なる可能性が示された。更に,雌雄ともに兵隊に分化する祖先的な分類群の兵隊分化に注目することで,兵隊分化を規定し,顕著な形態変化を引き起こす遺伝子群を特定することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表的な社会性昆虫のシロアリには,ほぼ全種で兵隊が存在する。兵隊は,基本的にどの個体からも脱皮して分化できるが,巨大な大顎等の特徴的な武器をもつ。この特殊な形態変化を伴う脱皮を調節するしくみは未解明である。種によっては片方の性のみが兵隊に分化するので,性情報が重要な役割を担う可能性がある。本研究の解析の結果,一般に昆虫で知られている性決定遺伝子は,配列や発現の仕方が特徴的に変化していることが明らかになった。更に,網羅的な遺伝子の発現解析により,兵隊に分化予定の個体で特異的に発現するいくつかの重要な遺伝子が見出された。それらが相互に働くことで,他の昆虫にはない特殊な脱皮が進行すると考えられる。
|