研究課題/領域番号 |
16K07516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
乾 陽子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10343261)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 好蟻性 / 化学偽装 / シジミチョウ / 化学的偽装 / アリ防衛 / 好蟻性昆虫 / 植物擬態 / 寄主アリ特異性 / 保全 / アブラムシ / アリ植物 / 化学擬態 / 熱帯雨林 / 生物多様性 / 共生関係 / 化学生態 |
研究成果の概要 |
アリは高度に排他的で他の昆虫類にとっては強力な捕食者だが、そのようなアリ社会にうまく潜り込み、他の天敵の手が及ばない安住の地を得る好蟻性の昆虫もいる。好蟻性昆虫がアリコロニーに侵入するためには、宿主アリが仲間認識に用いる化学物質をハックして自分をアリの巣仲間だと誤認させる”化学偽装”戦略が必需とみられていた。しかし、本研究では、アリの寄主植物に偽装して存在を目立たなくさせる植物偽装や、自らの成分をアリコロニー内に蔓延させることでアリと融和する化学的プロパガンダなど、昆虫によってさまざまな化学戦略があることを示した。こうした化学戦略はアリとの共生関係やその強度の違いを反映しているとみられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アリは熱帯でも温帯でも、昆虫のなかでも特に現存量が多く同所的に多くの種がみられ、多様な動植物と密接な関係を結ぶ。アリとの共生系は被食防衛型や栄養依存型などさまざまで、アリの攻撃(防衛)強度も種によってさまざまである。こうしたアリの多様性に応じて、アリを利用する昆虫の化学戦略も多様であるのだと考えられる。化学的戦略の変異は、好蟻性昆虫の多様化の要因である可能性が高い。生態化学物質が介在する種間関係の多様性は、生物多様性の文脈であまり注目されないが、多種が共存するメカニズムの一端を担っていると考えられる。
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