研究課題/領域番号 |
16K07518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
工藤 慎一 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90284330)
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研究分担者 |
吉澤 和徳 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (10322843)
沓掛 展之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 講師 (20435647)
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研究協力者 |
原野 智広
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生活史進化 / 親による子の保護 / 系統的種間比較 / ツノカメムシ科 |
研究成果の概要 |
親による子の保護と卵サイズやクラッチサイズなどの生活史形質の共進化は,古くから議論の続く問題である。メス親による子の保護が繰り返し進化した系統群であるツノカメムシ科を用いて,生活史形質間の進化的な関係を系統種間比較法により解析した。その結果,親の体サイズが繁殖投資に影響することが判明し,親の保護の進化は小卵・大クラッチの進化と相関するという,従来の理論の前提や予測に反する結果を得た。卵サイズとクラッチサイズにはトレードオフが認められたが,親の保護はこの関係に影響していなかった。形質の進化順序を検討したところ,卵サイズやクラッチサイズの変化が親による保護の進化に先んじて生じたと推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
親による子の保護と卵サイズやクラッチサイズ等の生活史形質の共進化は,行動生態学において古くから議論の続く未解決問題である。ツノカメムシ科を対象に,従来の系統種間比較の弱点を克服するデザインで実施された本研究は,メス親による子の保護が小卵・大クラッチと相関して進化し,さらに卵サイズやクラッチサイズの変化がメス親による保護の進化に先んじて生じたことを明らかにした。この結果は,50年以上に渡る生活史進化研究の歴史の中で初めて報告されるパターンであり,この問題に関して過去に提出された諸理論の前提・予測に反するものである。本研究の成果は,生活史進化に対する我々の理解に大きな見直しを迫るものであろう。
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