研究課題/領域番号 |
16K07522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
浦部 美佐子 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50263421)
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研究分担者 |
吾妻 健 高知大学, 医学部, 特任教授 (40117031)
三浦 収 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (60610962)
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研究協力者 |
坂本 啓伍
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 種分化 / 固有種 / 分子系統 / 構造解析 / 生物多様性 / 種間交雑 / 祖先多型 / 古代湖 / 遺伝子多型 / 同所的種分化 / 遺伝子浸透 / structure解析 / Structure解析 / 適応放散 / 進化生態 / 交雑 / 適応度 |
研究成果の概要 |
琵琶湖固有カワニナ類では分子系統樹と形態種との不一致が知られているが、その原因として種間交雑が考えられる。そこで、ddRAD解析により琵琶湖固有種の系統樹を作成し、また同所分布する2種のカワニナ類について、核DNAのPKInt2領域とddRADによる系統樹の比較および構造解析を実施した。その結果,固有カワニナ類は約40万年前以降に放散したと考えられた。PKInt2領域による2種の系統解析は従前の結果となったが、ddRADの系統樹では両種は完全に分かれ、構造解析の結果も種間交雑の存在を示さなかった。これら2種間には近年の種間交雑はなく、PKInt2塩基配列多型は祖先多型に由来すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来の少数の塩基対や酵素多型に基づくよりもはるかに高い解像度で琵琶湖固有カワニナ類分子系統樹が示され、単一水系で多様に放散したこの属の特異な進化の概要が初めて高い信頼度で明らかにされた。分岐年代の推定により、固有種の放散は琵琶湖湖盆の拡大が引き鉄となったことが示唆された。また、分子系統樹と形態種の不一致の理由として従来考えられてきた種間交雑が否定され、祖先多型によるものと考えられた。従来の遺伝子解析ではnDNA, mDNAの両方で形態種との不一致が見出されたが、それがddRADの系統樹に全く反映されない理由は不明であり、その解明が今後の課題として提起された。
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