研究課題/領域番号 |
16K07619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中村 正幸 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (90404475)
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研究協力者 |
藤田 清貴
南 雄二
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ポリガラクツロナーゼ / 病原性 / 立体構造 / 糸状菌 / ペクチン / プロトペクチナーゼ / タンパク質発現 / タンパク質立体構造 |
研究成果の概要 |
カンキツ類に感染する白かび病菌には、病原性株と非病原性株が存在する。本菌の病原性因子は、ペクチン分解酵素の一種であるポリガラクツロナーゼ(PG)であるが、非病原性株にもPGは存在する。病原性株由来S31PG1に病原性が有るものの、非病原性株由来S63PG1には無い。そこで本研究では、PGの病原性を決定している原因を立体構造学的に解析した。その結果、PGが病原性を発揮するためには、基質結合部位であるクレフト構造が、ある決まった特定の構造をしているわけではなく、クレフト全体で、基質であるプロトペクチンに結合できるよう柔軟に適応しており、偶然に生まれた構造が病原性につながっていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、植物病原菌の保持するペクチン分解酵素のポリガラクツロナーゼ(PG)は、病原微生物だけでなく、有用微生物や植物自体にも存在していたことから、PGと病原性との関わりについては、不明な点が多かった。しかし、本研究により、PGが病原性を獲得する場合の原因は、基質結合部位の溝(クレフト)が、植物組織内に存在している高分子ペクチンに対し、ある特定の共通した構造で対応している訳ではなく、構造の異なるペクチンそれぞれに対し、クレフト全体で奇跡的に偶然対応していることが明らかとなった。以上の結果は、学術上意義が高いだけなく、新たな病害防除の確立にもつながる基礎的成果となった。
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