研究課題
基盤研究(C)
植物体に張り巡らされる乳管細胞は、抗害虫・微生物防御に特化した細胞である。本研究では、国内で栽培の容易なクワ、イチジク、ミドリサンゴを研究対象とし、比較マルチオミックス解析を駆使して、乳管細胞の防御機能の分子的実体と多様性を研究した。(1)乳管細胞内容物である乳液には抗微生物タンパク質と抗昆虫・動物タンパク質候補が大量に発現・蓄積していた。(2)植物種および器官ごとに異なる外敵が想定されるために多分それに適応して、各種・各器官の乳液は互いに異なる防御タンパク質・化合物を蓄積していた。(3)ホモロジー検索から機能予測できなかった乳液タンパク質XXもまた抗昆虫毒性を有した。
新規な毒性タンパク質の探索に、乳液は有力な研究材料であることを示した。研究成果は、天然ゴム産生植物等の乳管細胞生理学の知見を拡大するとともに、Btトキシンに代わるGM作物の新たな抗害虫遺伝子の開発に活用される。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)
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