研究課題
基盤研究(C)
乳中の塩基性タンパク質であるラクトフェリン(LF)の多様な生理作用が、LFと特異的に結合している微量活性成分に起因するのではないかという仮説のもとに、LFが保有する様々な生理作用の活性本体を明らかにし、医薬品あるいは機能性食品等の有効成分として活用することを目標とした。特に、ヒト試験で明らかとなったLFの免疫調節作用の活性本体を探索し、微量活性成分の輸送タンパク質としてのLFの機能性を解明することを目指した。未変性状態で単離したLF結合成分の炎症反応調節作用や免疫細胞活性化作用などを、培養細胞実験および動物実験で比較検討し、LFが保有する生理作用の活性本体を明らかにした。
ラクトフェリン(LF)は、免疫調節作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、鉄代謝調節作用、骨代謝調節作用、内臓脂肪低減作用など、20種類以上の生理作用をもつことが報告されている。単一物質としては生理作用の多様性が極めて高く、乳の一成分でありながら PubMedで文献検索を行うと、現在までに8,000報以上の様々な研究報告がある。そこで、LFの多種多様な生理作用が、LFと特異的に結合している複数の生理活性成分に起因するのではないかという仮説を立てて研究を行い、LFが保有するいくつかの生理作用の活性本体を明らかにした。本研究は今後のLF研究の方向性を示唆し、革新的な進展をもたらすものと思われる。
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10.1016/j.ebiom.2016.07.012