研究課題/領域番号 |
16K07774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 政穂 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (20582381)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 絶滅危惧種 / 外生菌根菌 / アポイカンバ |
研究成果の概要 |
アポイカンバは、北海道のアポイ岳周辺にのみに生息する絶滅危惧種の樹木である。本研究は、アポイカンバと共生する外生菌根菌を明らかにするため、アポイカンバ林分の成木の菌根と土壌中の埋土胞子の種組成を調査した。その結果、アポイカンバの成木の菌根菌はフウセンタケ科やセイヨウショウロ科、イグチ科の菌が高頻度で検出された。一方、埋土胞子は種数と出現頻度が著しく低く、アポイカンバの更新時の実生苗ではほとんど利用されていないことが考えられた。したがって、アポイカンバの実生は「菌根菌ネットワーク」を利用することだけで更新が可能であることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者はこれまでに絶滅危惧種であるトガサワラやヤクタネゴヨウの菌根菌群集を安定時と攪乱時の感染源の両面から明らかにし、攪乱時の菌根菌の感染源が両樹種の実生の生育を助けることを発見した。本研究では広葉樹であるアポイカンバでも同様の研究を行ったところ、これまでの樹種とは異なったパターンを示し、安定時の感染源のみが実生の生育を助ける結果となった。本研究から得られた結果は、菌根菌を利用した絶滅危惧樹木の保全手法は、対象樹種の実生の感染源によって変える必要性が示され、今後世界各地で衰退や絶滅が危惧される同様の樹木にも応用する意味で非常に意義のあるものとなった。
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