研究課題/領域番号 |
16K07783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
名波 哲 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70326247)
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研究分担者 |
伊東 明 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40274344)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 性表現 / 雌雄異株 / 雌雄同株 / 個体群維持機構 / 遺伝的多様性 / 共存 / 森林 / 樹木 / 共存機構 / 生活史 / 鳥類 / 生活史特性 / 開花サイズ / 森林動態 / 花粉散布 / 種子散布 |
研究成果の概要 |
雌雄異株植物では、両性植物に比べて強い花粉制限がかかったり種子散布範囲が狭くなり、集団の維持が難しくなると予想される。これらの不利を補うための生態特性として、雌雄異株植物が性的に早熟であることを実証的に示した。また、雌雄異株植物は鳥散布型の種子をもつ傾向があると言われており、種子散布に貢献する森林生鳥類を音声データにより探索した。さらに、クスノキ科内の雌雄異株樹種と雌雄同株樹種の間で近交係数を比較し、前者においては近親交配を回避されていることを示した。また日本で雌株だけが見つかっているヤマコウバシについて、日本中のサンプル間で遺伝的な変異がほとんど見られず、巨大なクローンであることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固着生活を送るにも関わらず、雌雄の機能を個体レベルで分業する雌雄異株植物が、両性植物が優占する中で、いかに個体群を維持しているのか、これはダーウィンも注目した難問である。本研究は、雌雄異株植物の各個体は1つの性の役割に集中投資できるため、両性植物よりも早熟であるという有利性を示した。さらに、異株植物が近親交配を避け、集団の遺伝的多様性を高く維持していることも、個体群の維持に役立っていると考えられた。一方で、ヤマコウバシのように極めて遺伝的多様性が低い集団も見られ、1本の親株だけで種子生産できるという長所の効果が十分に大きければ、集団の遺伝的多様性は必須のものではないことも示された。
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