研究課題/領域番号 |
16K07842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐野 菜採 三重大学, 生物資源学研究科, 学術研究員 (50636545)
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研究分担者 |
古丸 明 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10293804)
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研究協力者 |
田中 真二
栗山 功
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 真珠養殖 / アコヤガイ / レクチン / 血リンパ / 血球 / 凝集反応 / pearl oyster / hemagglutination / 真珠 / キズ・シミ / 生体防御 / 養生 / 仕立て / 凝集力価 / RNA干渉 / 定量PCR / 凝集素 / 水産学 / 低塩分飼育 |
研究成果の概要 |
真珠養殖の挿核後の「養生」期間に低塩分で飼育すると真珠のキズ・シミが軽減できることが知られている。そのメカニズムとして次の結果を得た。血リンパの凝集力価は挿核により上昇し,その上昇は低塩分飼育により抑制された。アコヤガイのレクチンに対する特異抗体により凝集阻害が認められ,凝集力価はこれらのレクチンによるものであると考えられた。特異抗体による解析の結果,挿核後にレクチン産生血球の割合が増加することが明らかになった。また,血球中のガレクチンの転写量は低塩分飼育により減少した。よって,レクチン産生が抑制されることが「低塩分養生」によるキズ・シミ軽減のメカニズムのひとつであると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から,挿核に対する生体防御の反応をコントロールすることで真珠の品質を向上させられる可能性が示唆された。真珠産業は漁場の環境悪化や人手不足により厳しい状況にある。効率よく高品質の真珠が生産できるようになれば,それらの改善につながり,日本が誇る産業のひとつである真珠養殖の振興に寄与できる。一方,学術的には無脊椎動物の生体防御で重要な役目を果たしているレクチンに関して,近年,二枚貝でも遺伝子レベルではそれらの存在や刺激で転写が上昇する等は解明されているが,タンパク質や細胞レベルでの研究は少なく,本研究の結果は新規性の高いものであり,今後のこの分野の研究に貢献できる。
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